「これは、正当防衛です」

『誰も傷つかない学校』を目指す中学校の新人校長・西原が、
同僚から知らされた、自分を中傷するアカウントの存在。

重大な秘密を握られた西原は真の人間性を試されるー！

作・演出は2021年に映画「由宇子の天秤」でベルリン国際映画祭をはじめ国内外の映画祭を席巻した春本雄二郎。

その春本が描くのは、「誰もが尊重され、排除されない」学校づくりを標榜する新人校長が、裏アカウントによって攻撃され、自身の立場を危うくした時に選択してしまった行為に対する代償をどう支払い、その過程でどう苦悩し葛藤するかという姿。そして校長や周囲の人々の本性や攻撃性だ。そしてひいては多様性の尊重が叫ばれる社会のあり方を観客に問いかける。

キャストは主演の西原亜希（映画「スノードロップ」）をはじめ、10名全員が春本主催のワークショップから選び抜かれ、オーディションを突破した才能あふれる逸材たち。企画段階からエチュードを繰り返し、登場人物を立体化していく新しいアプローチにチャレンジしている。

叩かれることを恐れ、誰もが聖人であらねばならない超コンプライアンス社会が抱える矛盾、すべての人間に潜む攻撃性を突きつけるサスペンスフルブラックコメディの幕が上がるー！

黒瀬第一中学校の新人教師の西原は、学校に馴染めない子、傷ついていそうな子をフォローし、誰もが安心していられる学校を目指していた。しかしある日、関係者に裏アカウントで、西原の重要な秘密が暴露されるかのような予告を投稿されてしまい、西原は窮地に立たされる。西原は、相手が関係者ということに気が引きつつも、自身の立場を守るため、止むを得ず、非倫理的方法で犯人を炙り出そうとする。それによって騒動は無事解決したかに見えたのだが、数日後、思いもよらない事態が西原を襲い、校内は混沌を極めていく...。